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灯台下暗し、案外知らない「日本伝統色」の話

2016/ 08/ 16

日本の伝統色をモチーフにした、グリーティング切手

灯台下暗し、案外知らない「日本伝統色」の話
紅色(べにいろ・くれないいろ)や藍色(あいいろ)を知らない日本人はまず居ません。日本の社会において紅色は「赤」、藍色は「暗い青」であるという共通認識のもと色が表現されています。ところが、これらの色がいずれも「植物から採取した染料で染めた色」だと知っている人は、案外少ないものです。

日本郵便株式会社が2016年8月5日に発行した「グリーティング切手(ライフ・伝統色)」は、日本人が四季折々の暮らしの中で継承してきた代表的な色の中から20色を選び、それぞれの色の由来が分かるような絵柄とともに切手にしたもの。シール式で簡単に貼れるし、デザインも美しいのでおすすめです!

余談ですが、スウェーデンのカラーシステムを学ぶためにストックホルムのNCS本部に短期留学をした際、カリキュラムの最後に研究発表の時間がありました。私は「スウェーデンの伝統色と日本の伝統色を比較考察する」というテーマを設定し、①日本の伝統色のほとんどすべてが植物に由来するものであること、②植物の状態や染色の濃さにより細かく色名が変化することなどを話したところ、諸外国から参加していたクラスメートから「ものすごくおもしろい」と言われ、逆にびっくりしてしまったことがあります。

ひとつの例として竹にまつわる「緑」には、若竹色(わかたけいろ)➡青竹色(あおたけいろ)➡老竹色(おいたけいろ)と成長に応じて異なる色名が存在します。拙著『日本の色 売れる色には法則があった』の中でも48色を厳選して紹介させて頂いておりますので、もしご興味がございましたら書店などでご覧ください。

(東京カラーズ 桜井輝子)

※それぞれの画像はクリックして頂くと大きくご覧頂けます。
※画像3枚目『日本の色 売れる色には法則があった』より部分抜粋
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